自分は人にどう思われているのか、どんな風に言われているのか――。人と関わって生きる以上、自分の存在は他者の目から切り離せません。小説家の綿矢りささんは、最近、そういうものを気にしない、天性の「自己中な人」を書きたい欲求が強いそうです。「目に…

7月に英ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスでの公演に挑む新国立劇場バレエ団。率いるのは、舞踊芸術監督を務める吉田都さんです。かつてこの舞台で、英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルとして活躍しました。将来の約束もないバレエ界に飛び込み、長く現…

青森・下北半島にある霊場・恐山。そこで深い苦悩や悲しみを抱えた人々に向き合うのが、恐山菩提（ぼだい）寺院代（住職代理）の南直哉さんだ。著書で、今までの倫理や道徳とは違う行いをする人が出てくる時代、仏教はやり過ごすわけにはいかない、と書いてい…

政治の歯車が、少しずつかみ合い出したように見える。　少数与党政権の発足から２カ月。第２次安倍政権以降、「１強多弱」と呼ばれた国会では、野党の存在感が増し、熟議の土俵は整った。　新しい政治状況を、立法府の行政監視機能の立て直しや、幅広い合意に…

枕草子に「星はすばる、牽牛星（ひこぼし）……」とお気に入りを挙げるくだりがある。清少納言があまたの恒星から選んだのは、この二つだけ。でも思うに、すばると同じ冬空に輝く１等星のシリウスやオリオン座の三つ星だって、美しさは負けていない▼大雪に見…